学習期間の目安:John黄匡中先生

 



【 ↑動画内容の日本語訳 】

学習が終わるまでにだいたいどのくらいかかるのか尋ねる人がいます。ある程度の水準に達するにはどれくらいの学習が必要か?と。昔はそれに答えるのが難しかったのです。というのも、正直に言って実際は ”学びに終わりはない” からです。


それは学校に入って、いつ卒業するのですかと尋ねたら、「わかりません、あなたは卒業しません!」と言われるようなものですね。「そんな!いつ逃がれられるの?」(笑)



だからいつも、1年〜1年半学べば、基礎は身につくと言っています。実際のところ、彼らはときどき練習にやって来て、全部は学びません。ある程度練習すれば、タイミングや反応を習得できます。だからいつも「1年半やってみてください、だけど最初の数ヶ月はイライラするし、つまらないよ」と伝えます。(それで)少なくとも気持ちの準備はできます。


ご存知のように詠春拳の型は多くないので、(どの型を学ぶかという)選択の余地はありません。型が3つと木人だけで、武器は数に入れません。そうなると練習する手技もそれほど多くはありません。もし本当にその全部を覚えようと思ったら、3日で覚えられます。3日で卒業できます。


でも(実際は)そうはいきません。そこにはたくさんのことが含まれていますし、黐手のように交流(対人練習)があります。最後に近づくにつれ、学べば学ぶほど、わからないことが増えていくように感じます。多くの人が、「学べば学ぶほどうまくいかない!」という風に感じていると思います。うまくいかないのではなく、確実に上達はしているのですが、多くの疑問に直面するのです。


私たちが教室にいた頃は、兄弟子たちと黐手するのが好きでした。なぜならよく打たれたからです。打たれた後は、”どうして兄弟子は自分のことを打つことができるんだろう?"と思って眠れなかったりして、それがとても良かったのです。実際、そのように疑問を持つことが上達の方法なのです。

だから練習すること、かける時間もそうだけど、周りの人たち、練習相手、つまり自分の兄弟子たちも大事です。


そういうことで、大体1年半くらいだと言っています。でも真剣に言えば、学びに終わりはないのです。あなたがすでに無敵でない限りは。




 ※補足

詠春拳の黐手の ”あるある” として、実力に差のある相手と対人練習をすると、自分の打撃は全然相手に入らないのに、相手には好きなように打たれまくるということがあります。これは詠春拳やっている人にはあるあるですが、やっていない人にはよくわからない状況だと思います。


初めての人は大抵そこで「これは何だ !? 」とちょっと不思議に、または怪訝に思う。習った技を使おうともがく自分にはできないのに、何も複雑なことをしていない相手の手は簡単に侵入してくる。多くの人にとっては、映画やyoutube動画の中の詠春拳ではない、実物の詠春拳の「中身」に触れるはじめての瞬間でもあると言えるのではないかと思います。


基礎的な手法を覚え、少し自由に動けるようになって来た初心者の頃にみんな経験します。地味で退屈だった練習が急激に面白くなり始めると同時に、謎や疑問が噴出し、本当の内容に興味が出始めます。たいていの人はこの辺ではじめて、単純、直接、効率といったキーワードの” 実際 ”を体験するわけです。(逆にやめてしまう人の多くはこれを体験せずにやめます)


そのためにもまず1年半程度の時間をかけてみることとも大事だし、そういう経験を与えてくれる練習相手(兄弟子や先生)がいるかどうかも環境として大切だということを言っていると思います。

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